2017年度の
夏期集中授業の紹介
2017.09.04 〜 09.11(あいだに土日を挟む)の期間に、2017年度の夏期集中授業がおこなわれました。 ロジカル・シンキングなどの基礎の学習からiPhoneアプリの実際の開発に至るまで、 合計6日間、朝から夕方までをかけての密度の濃い教育プログラムでした。 受講生たちは、実際に自分の手を動かしたり、チームで相談しながら作業と進めたりと、 実践的な学びを経験しました。
ここでは集中授業の様子を、簡単にですが紹介します。
1日目
初日の午前中は集中授業に関するガイダンスと環境設定でした。チームの顔合わせをしてから、各受講生に配られたMacBookProに、iPhoneアプリ開発に必要なXcodeという開発環境をインストールするなど、集中授業で必要な開発環境を自分たちの手で整えてもらいました。
午後はiPhoneアプリ開発に必要な基本を学びました。株式会社あいはらの山田泰司先生にお越しいただき、Swiftと呼ばれる言語についてポイントを絞って説明をしていただきました。さらに説明を受けるだけではなく、実際にプログラムを組んで、言語に関する理解を深めました。
2日目
午前中は株式会社ハーティネスの高橋慈子先生による「ICT分野の研究開発におけるロジカル・シンキングとアウトプット技術」の講義と、元京都大学准教授でリベラルアーツ研究家の麻生川静男先生による「イノベーションを起こす -- 欧米のベンチャー、社内ベンチャー体験記」の講義でした。
高橋先生の講義では実際にわかりづらい文章を書き換えてみるなど、演習を交えた役立つ授業構成でした。途中の演習では学生たちも活発にチームで議論して、発表に参加していました。
麻生川先生からは、普段の大学の講義では聞くことができないような、ベンチャー企業の立ち上げなどに関して、貴重な体験談を踏まえていろいろとお話いただけました。
午後は初日に引き続き、iPhoneアプリ開発の基本事項学習と演習です。この日で基本事項の学習は終了しました。
3日目
午前中は三栄ハイテックス株式会社の八重樫剛先生による「プロジェクト管理」、 そしてNTTラーニングシステムズ株式会社の増本登志彦先生による「プレゼンテーション・スキル」の講義でした。
八重樫先生からは、具体的な開発案件を想定した演習も踏まえて、プロジェクト管理の進め方について教わりました。また、実際の現場での問題点などのお話もいただくことができました。
増本先生からは、プレゼンテーションのポイントと作り方のコツについて教わった後で、実際にチームごとに製品開発を念頭においたプレゼンテーションの実践演習をご指導いただきました。
この午後からは、iPhoneアプリ開発の実践です。手始めに、まずは教科書に記載されたアプリを各自で作成しました。
4日目
午前中は2コマ分を使って、株式会社オルターブースの小島淳先生から「チーム開発手法(アジャイル、DevOps)」についてのお話をしていただきました。最近話題のアジャイル開発の考え方の紹介に加えて、DevOpsやチーム開発手法の紹介、さらには実際のシステム開発の現場で用いられているソースコード管理のためのGitも踏まえた実践的なお話など、現場の開発者ならではの内容を教わることができました。
午後は前日に引き続き、iPhoneアプリ開発の実践を続けました。
5日目
午前中はチーム開発に関するガイダンスのあと、ヤフー株式会社の鈴木智絵先生から「ユーザーを知り、サービスをデザインする」と題してユーザーインターフェースに関するお話をしていただきました。使いやすいソフトウェアのデザインとは何か、ユーザーのことを考えたデザインを作るための手法など、ビジネスシステムデザインに重要なポイントを教わることができました。
午後はiPhoneアプリのチーム開発です。教科書に記載されていた電卓などのアプリについて、もっと使いやすく便利にするためにはどのような機能が必要かをチームで話し合い、実際にアプリに実装する作業をおこないました。
(週末)
週末にもチーム開発を継続できるように、大学の建物を開放して、希望したチームは集まって開発をできるようにしていました。一人で開発するよりも、相談しながら開発を進めたほうが効率もよいですし、楽しみも多くなります。実際にたくさんのチームが集まって開発を進めていました。
6日目
午前中から午後にかけて、チーム開発の続きをしてから、夕方にチーム開発の成果発表と全体の反省会をおこないました。
まとめ
Swiftなんて知らない、Xcodeも使ったことがない、もちろんiPhoneアプリを作ったこともない、という受講者がほとんどでしたが、最終的にはかなり高度な機能を搭載したiPhoneアプリが発表されていました。また、今回の集中授業では、企業での開発現場を知っている方々に講師としてお越しいただき、ソフトウェア開発に関わる実践的な考え方や手法について、ポイントを踏まえた上でご教示いただくとともに、現場での経験を踏まえた非常に貴重な話をしていただけました。普段の大学の授業ではあまり触れることのない話も多く、受講生には非常に役に立つものになったようでした。